ローズマリーは古くから薬用に使われてきたハーブで、神話に登場したり、シェイクスピアに出たり、人気の香水になったりと濃密な歴史を歩んできました。
現代では、料理やガーデニングに人気のハーブで、スーパーでも良く見かけますね。
そんなローズマリーを詳しく勉強してみましょう!
1.ローズマリーの名前と歴史
ローズマリーはハーブとして使われる地中海地方原産の常緑低木です。
ハーブの中でもこのローズマリーは、とても輝いていて女性らしい名前が付けられています。
ローズマリーは英語のRosemaryの日本語読みですが、このローズマリーにはかなり変わった和名があります。それは漢名から来ているのですが、「迷迭香」と書いてマンネンロウと読みます。
そもそもはマンネンコウ(万年香)だったと考えられるのですが、他の説としては、常緑の姿が若い男性をイメージさせることから万年朗となったという説もあります。
またローズマリーの漢名「迷迭香」についてもメイテツコウと読んでいたこともあったようですが、マンネンコウに落ち着いてしまいました。謎が深い名前です。
英語名のRosemaryはラテン語の雫(ros)と海(marinus)の組み合わせが語源だと言われています。組み合わせると「ローズマリー = 海の雫」となりますね。
そのようなイメージはギリシャ神話の中にも出てきます。
女神アフロディーテは、切り落とされたウラノスの男性器にまとわりついていた泡から誕生しましたが、アフロディーテが海から上がってくる時に、このローズマリーが体にまとわれていたそうです。良い香りがしたでしょうね!
このように海の雫と言われたローズマリーですが、古くは記憶が良くなるハーブと言われていました。日本的に言うとローズマリーは忘れな草ということになりますね。
シェイクスピアの悲劇「ハムレット」第4幕第5場で、錯乱したオフィーリアが恋人と間違えて兄に向ってこんなことを言っています。
“There’s rosemary, that’s for remembrance; Pray you, love, remember.”
(和訳)「これがローズマリー、思い出をなくさない花よ。お願い、私のこと忘れないでね。」
シェイクスピアの時代でも、一般にこのように記憶が良くなるハーブと認識されていたのかは分かりませんが、ローズマリーにはそのような薬効が認められてきたようです。
ローズマリーは教会でも結婚式や葬儀にも使われていました。そこでも変わらぬ愛という意味がこのハーブに込められていたようです。
実際にローズマリーにはカルノシン酸という成分が含まれています。この成分は化学的にも記憶力を改善する作用があることが認められています。昔の人はそれを経験から認識していたのですね。素晴らしいことです。
一方で、ローズマリーの香りも人々を魅了してきました。
中世のヨーロッパにはハンガリーウォーター(ハンガリー水)と呼ばれるものがありました。これはローズマリーをアルコールと蒸留したリキュールで、薬用や香水として使われました。
このハンガリーウォーターの起源は定かではありませんが、14世紀のハンガリー王妃エルジェーベト(既に高齢だった)が愛用した結果、苦しんでいたリューマチが治り、さらに若返ってポーランド王子から求婚されたという話が有名です。
史実としては、当時のポーランド王子が自分の息子であったり、当時は蒸留技術がまだ無い時代だったり、いろいろ有りえない話なのですが、ローズマリーの力を語る話としてはとても魅力的です!実際に製造され始めたのは16世紀頃でしょうか、諸説あり特定することは難しそうです。
そのハンガリーウォーター、18世紀にオーデコロンが登場するまで、ヨーロッパでは広く愛用されていたそうです。そういえば、オーデコロンも意味は「ケルンウォーター」ですね…香水というよりは水扱い?なんでしょうか。
2.ローズマリーの香りや味
ローズマリーはいくつもの香り成分を持っていて、爽やかですが複雑さも持ち合わせた香りを放っています。ハンガリーウォーターが香水として愛されたことからも分かるように、この香りは飽きが来ません。
生のローズマリーを噛むと少し苦く、辛みがあります。このローズマリーを肉や魚に添えてオーブンで焼くとマスタードの様な香りづけをしてくれます。感謝祭のターキー(七面鳥)やクリスマスのローストチキンのお腹にも、たっぷりのローズマリーが仕込まれていたりしますね。あの香りが何ともたまりません。
3.ローズマリーの育て方
ローズマリーはとても丈夫で、乾燥にも強く育てやすいハーブです。
種蒔きからも育てられますが、初期の成長が遅いので苗木からの栽培をおすすめ益します。
苗木を手に入れたら少し大き目の鉢に水はけの良い土を入れて植え、たっぷりと水を与えます。乾燥を好むので、水やりは土が乾いたら与えるようにしましょう。
ローズマリーは日当たりの良い場所を好みます。真夏でも半日影よりも直射日光下に置いたほうがしっかり生育します。
反対に梅雨の時期は苦手です。梅雨になる前に枝を刈りこんで風通しを良くしておきます。
寒さには強いので、冬でも氷点下にならなければ室内に取り込まなくでも大丈夫です。
通年でどんどん育つので、月に数回追い肥をして生育を助けましょう。
4.自家製ドライローズマリーの作り方
ここではいつもように電子レンジを使って簡単にドライローズマリーを作ってみたいと思います。以下の製法とベースは同じになります。
参考1:「パセリがメインのレシピを紹介します 4.ドライパセリの作り方」
参考2:「セージは薬用ハーブの代表格、そして万能薬だった 4.自家製ドライセージの作り方」
(a)ローズマリーを軽く洗ってほこりを落とし、キッチンペーパーでしっかり水気をふき取る
(b)耐熱皿にキッチンペーパーを敷き、その上にローズマリーを重なりがないように置く
(c)電子レンジで2分(500W)加熱
(d)いったん皿を取り出し、ローズマリーの葉を見て裏返したり、間隔を広げたりしながら、湿っているところを表にする。電子レンジでさらに1分(500W)加熱
(e)まだ湿り気があるようなら、10秒単位で追加加熱
(f)ローズマリーがカサカサになったら取り出して、別のキッチンペーパーなどを使って葉を茎からこそげ落としたら、完成!
5.ローズマリーを使った料理レシピ
ローズマリーは肉、魚、野菜、ハーブティーと幅広く使われているハーブです。
そこでここで紹介するレシピも、肉、魚、ハーブティーと各ジャンルから選んでみました。
ローズマリーの素敵な香りを楽しんで下さいね!
5-1.ローストチキン
ローストチキンといえばクリスマスの時期によく見かけますね。普段は丸鶏など買うことは無いでしょうが、オーブンさえあれば自宅でも簡単に調理できてしまうんですよ!
最初はサイズが1kg程度の小さいもので始めると楽だと思います。是非一度チャレンジしてみて下さい。
材料:4人分
丸鶏 1羽(1~1.5kg) ローズマリー3本 塩 黒コショウ 砂糖 大さじ1/2 醤油 大さじ1/2 |
(1)流水で腹の中と表面を良く洗い、残っている毛をむしっておく
(2)キッチンペーパーで腹の中と表面の水分を丁寧に拭きとる
(3)腹の中と表面に塩と黒コショウを少し多めに擦り込む
(4)ローズマリーを腹の中に1本入れ、ジップロックに入れる
(5)ジップロックにさらにローズマリーを2本加え、冷蔵庫で一晩寝かせる
(6)爪楊枝で首と尻を丁寧にふさぐ
(7)オーブン皿に腹を下にして置く
(8)オーブンで220℃分50~60分焼く
(9)もものあたりを竹串で刺して、肉汁が透明であれば焼き上がり
(10)オーブンからチキンを取り出す
(11)オーブン皿に残った肉汁と砂糖、醤油、水100ccを煮詰めてグレービーソースを作る
(12)皿にチキンを盛って、グレービーソースを添えたら完成!
★レシピの裏ワザ★上のレシピではお腹の中にローズマリーだけを入れましたが、もし冷凍ピラフなどがあれば、レンジでチンして冷ましてからお腹の中にぎゅうぎゅうに詰めてみて下さい。(この場合はお腹の中のローズマリーは不要です)チキンの肉汁をたっぷり吸った美味しいピラフができますよ。
5-2.ローズマリーティー
ローズマリーを使ったものには、ハーブティーとして飲むものや紅茶の風味づけに使ったものなどがありますね。
ここではローズマリーとハチミツを使ったハーブティーを紹介したいと思います。
材料:2杯分
フレッシュローズマリー 1枝 ハチミツ 適量 熱湯 300cc |
(1)ローズマリーを折って、お茶パックに入れる
(2)お茶パックをポットに入れ、熱湯を注いで2~3分おく
(3)カップに注ぎ入れ、ハチミツを好みの量加えたら完成!
5-3.サーモンのムニエル
3つ目のレシピは、魚料理です。ローズマリーの香りを効かせてカリッと焼きあげます。
材料:2人分
サーモン 2切れ ローズマリー 1枝 ニンニク 1片 塩コショウ 適量 小麦粉 適量 オリーブオイル 大さじ1 バター 20g マヨネーズ 大さじ2 ディジョンマスタード 小さじ2 オリーブオイル 大さじ1 |
(1)ローズマリーとニンニクをみじん切りにする
(2)サーモンの水気を拭きとり、ニンニクと塩コショウを擦り込み、ローズマリーをまぶす。ラップをして冷蔵庫で30分置く
(3)サーモンの両面に薄く小麦粉を振る
(4)フライパンにオリーブオイルとバターを熱し、サーモンの両面をこんがりと焼く。
(5)マヨネーズとディジョンマスタード、オリーブオイルを良く混ぜ、サーモンに添えたら完成!