オレガノ

オレガノはスパイス料理との相性が良いハーブ


これまでに様々なスパイスやハーブを学んできましたが、中には日々の生活ではあまり口にしないものもありました。

今回紹介するハーブ「オレガノ」もそのような普段は口にしないハーブの一種ですね。

・・・・・いえいえ、そんなことはありません!!

えっ?いつ?ほとんどの家庭には乾燥オレガノの小瓶ですら置いていないのに…

それでは、このちょっと謎めいたオレガノというハーブを、少しずつ紐解いていきましょう。

1.オレガノの名前と歴史

2.オレガノの香りや味

3.オレガノの育て方

4.オレガノの保存方法

5.オレガノを使った料理レシピ

 

1.オレガノの名前と歴史

オレガノ(フレッシュ)

オレガノの英語”oregano”という名前は、スペイン語の”oregano”が元になっているようで、ラテン語の”origanum“、ギリシャ語の”oreiganon“(鼻にツンと香る)が語源となっているようです。

ヨーロッパの地中海沿岸が原産地のオレガノは、高さが80~90cmほどになるシソ科のハーブです。

古代ローマの料理人アピシウスは、その有名なソースの材料としてオレガノをあげていましたが、その頃にはよく知られたハーブの一つだったと言えるでしょう。

アフリカでは古代エジプトのミイラ作りにもオレガノが用いられていましたし、北欧ではスウェーデンの山岳民族がエール(ビール)をアルコール度数を高めてもっと酔えるために、さらには酸化を防いで味が良くなるためにオレガノを使っていました。

このオレガノは幸運のハーブと考えられていたそうで、古代ギリシャでは結婚式の際にオレガノの冠をかぶったり、新婚の家にオレガノのリースを飾ったりしていました。
幸せを呼ぶスパイスやハーブはいくつもありますが、オレガノの爽やかな香りの中にも人々は幸せを感じ取ったのでしょうね。

ところでオレガノの和名は「花薄荷」と言います。というのもオレガノは薄紫の可愛い花を咲かせるからです。そして薄荷のような香りを持つことから花薄荷となったようです。

オレガノも他の多くのハーブと同様に江戸時代あたりに日本に入ってきたようです。もちろん当初は名前の混乱が見られますから正確なところは不明です。

さて、オレガノの名前や歴史を見てきていますが、我々の口にはいつ入り込んでいるのか?という大きな問題が残っています。さてどこに?という感じですよね。

身近なところでは、「クレイジーソルト」(日本緑茶センター)です。スパイスやハーブが絶妙にブレンドされた調味料として人気ですね!その原材料にしっかりと「オレガノ」の文字を確認することができます。

またオレガノの香りはトマトやチーズとの相性が抜群です。特にメキシコ料理にはよく使われているハーブです。例えばタコス、チリコンカンなどに使われるチリパウダー。この原材料にも堂々と「オレガノ」と書かれているではないですか!

さらにトマトソースとチーズがたっぷり使われるピザなんかにも入っていることが多いようです。

こう見てくると実は私たちはオレガノに幾度となく触れてきているということが分かると思います。
そう、オレガノの幸運にあずかってきているのです。

 

2.オレガノの香りや味

オレガノ(フレッシュ)

オレガノはその葉をハーブとして利用します。ミントのような香りがあって、生で食べると少し苦みを感じます。

一般的には乾燥させた葉を使いますが、実は乾燥させてからのほうが良い香りがする、香りが強くなるというのがオレガノの特徴でもあります。

オレガノにはカルバクロールという成分が含まれています。この成分はオレガノやタイムから抽出されるもので、殺菌・防腐効果があり、オレガノ特有の香りのもとになっています。
またオレガノにはチモールというもう一つの殺菌・防腐効果を持つ成分が含まれています。

オレガノから抽出されたオレガノオイルには、これらの成分が含まれているため、殺菌効果があると謳われていますが、アロマ的に使用した場合の効果は限定的であると推測されます。

 

3.オレガノの育て方

オレガノ(フレッシュ)

オレガノは比較的簡単に栽培できるハーブです。

オレガノの種は園芸店でも通販でも手に入れられます。4月~6月の暖かい時期が種まきに適しています。

水はけの良い土に種をパラパラと蒔きましょう。葉が出てきたら重なりあわないように間引きをしながら育てます。

注意すべきは梅雨の時期で、多湿を嫌うので蒸れないように管理しましょう。

オレガノは1年目には花が咲きません。育った葉を適宜収穫してハーブとして利用しましょう。
そして2年目の初夏に花が咲きますが、開花後に一番香りが強くなるようです。
その時期に株元を残して収穫すると豊かな香りが楽しめます!

 

4.オレガノの保存方法

オレガノ(ドライ)

オレガノはフレッシュオレガノ、つまり生葉の状態でも食べられますが、香りが少し弱く、ドレッシングや味付けされた肉類と一緒になるとその存在が希薄になります。

スーパーなどでは乾燥した葉がスパイスコーナーにオレガノとして並んでいますが、そちらのほうが保存もききますし、よりオレガノの香りを堪能することができます。

では、いつものようにドライオレガノを電子レンジを使って作ってみましょう!

作りたい分のフレッシュオレガノを準備します。茎ごとやっても良いのですが、水分を多く含むため「パンパン」と破裂してしまうので、水分を拭きとった上で葉を丁寧に一枚一枚摘み取ります。

耐熱皿にキッチンペーパーを敷き、その上に葉を重なり合わないように並べます。

そして500Wで2~3分加熱します。葉がくるんと丸まって、さらに縮まって乾燥したらドライオレガノの完成です。

そして粗熱が取れたら、ぜひ何枚か食べてみて下さい。一枚一枚味が違うのが実感できると思います!

 

5.オレガノを使った料理レシピ

オレガノはトマトソースやチーズとの相性が良いということを学びました。
ただ、ここではオレガノの味をダイレクトに味わうために、ソースやチーズに埋没するレシピを避けて紹介して行きたいと思います。

フレッシュとドライの両方を使っていますが、既に見たとおり、ドライのほうが芳香が豊かです。どちらかお好みのほうをお使い下さい。

5-1.オレガノトースト

5-2.オレガノ香るポテサラ

5-3.オレガノチキン

 

5-1.オレガノトースト

オレガノトースト

まずは食べやすいレシピでオレガノの香りを知りましょう。

モーニングコーヒーとの相性もピッタリですし、ちょっとしたおやつにも使えます。

材料:4切れ分

オレガノ(ドライ) 適量
バゲット 4切れ分
溶けるスライスチーズ 2枚
ウインナー 2本

(1)バゲットを4切れ用意し、耐熱皿に並べる

(2)溶けるスライスチーズを縦横半分ずつ4枚に切り分ける

(3)ウインナーを切り分ける

(4)バゲットに溶けるチーズ、ウインナーの順に乗せる

(5)トースターに耐熱皿ごと入れ、チーズが溶けるまで加熱する

(6)チーズが溶けたら各バゲットの上にもう一枚チーズを乗せ、オレガノを振りかける

(7)上に乗せたチーズが溶けるまで加熱して完成!

 

5-2.オレガノ香るポテサラ

オレガノ香るポテサラ

フレッシュなオレガノが味わえるレシピです。

写真ではオレガノをひかえめにトッピングしていますが、ポテサラとベーコンのコクがあるので、どっさり乗せても意外と大丈夫です。

お好きな方はたっぷりと乗せてみて下さい!

材料:2人分

オレガノ 適量
ジャガイモ(小) 2個
にんじん 1/4本
きゅうり 1本
玉ねぎ 1/2個
ゆで玉子 1個
ベーコン 1枚
塩 小さじ1/2
酢 小さじ1
マヨネーズ 大さじ2
オリーブオイル 大さじ1
黒コショウ 適量

(1)ジャガイモを塗らしたキッチンペーパーで包み、さらにラップで包んでレンジで1個当たり5分程度加熱する

(2)ジャガイモがやわらかくなったら皮をむいて潰し、塩、酢を加える

(3)きゅうり、にんじん、玉ねぎを薄切りにして、ビニール袋に入れて塩もみする(塩分量外)

(4)きゅうり、にんじん、玉ねぎをしっかり水切りして(2)に加え、粗く切ったゆで玉子、マヨネーズ、オリーブオイルを加えてよく混ぜ合わせ、黒コショウを振ってさらに混ぜ合わせる

(5)フライパンを熱し、ベーコンに焼き色がつくまでしっかり加熱する

(6)皿に(4)を盛り付け、ベーコン、オレガノをトッピングして完成!

 

5-3.オレガノチキン

オレガノチキン

最後のレシピはチキンです。

シンプルにオレガノと塩コショウだけで味付てみました。
焼き野菜などを加えればしっかりとしたメインにもなりますので、アレンジしてみて下さいね!

材料:2人分

鶏もも肉 400g
オレガノ(ドライ) 適量
塩コショウ 適量
白ワイン 大さじ2
片栗粉(または小麦粉) 適量

(1)鶏もも肉を一口サイズに切り、しっかりと塩コショウする

(2)ジップロックに鶏もも肉を入れ、白ワイン、オレガノを加えて冷蔵庫で1時間寝かす

(3)鶏もも肉を冷蔵庫から出してトレーに並べ、オレガノをまぶす

(4)皿に小麦粉をとり、鶏もも肉に小麦粉をつけてからフライパンで焼く

(5)焦げすぎないように注意しながら、表面をしっかり焼いたら完成!


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