しょうが(ジンジャー)

しょうが(ジンジャー)をドリンク、料理、デザートにフル活用!


しょうが(ジンジャー)

しょうがは、私たちにとってとても親しみのあるスパイスですね。
このしょうがは、とても古くから世界中で使われてきたスパイスなのです。

私はお寿司屋さんのガリを真っ先に思い出すのですが、みなさんはどうでしょうか?
紅ショウガを思い出す人もいるでしょうし、ジンジャーエールという人もいるでしょう。

私たちの身近にあるしょうがを、詳しくみていくことにしましょう。

1.しょうがの名前と歴史

2.しょうがの香りや味

3.しょうがの育て方

4.スパイスとしてのしょうがの作り方

5.しょうがを使った料理レシピ

 

1.しょうがの名前と歴史

日本では「しょうが」(生姜)と呼ばれていますが、英語ではみなさんご存じのとおり、ginger(ジンジャー)と呼ばれます。

このgingerは古英語のgingiferから来ていて、gingiferはラテン語のzingiberi、ギリシャ語のzingiberisから来ています。
その先の語源は良くわかっていないのですが、おそらくはサンスクリット語(梵語)のsrnga veramから来ているのではないかと言われています。

しょうが(ジンジャー)

しょうがは、インドや中国でも古くから保存調味料や医薬品として使われていました。
このインドか中国がしょうがの原産地なのではないかと言われていますが、いまだ特定されていないようです。

これらの国からフェニキア人を経由して地中海沿岸の国々に広められ、古代ローマ、ギリシャなどでもよく知られていたそうです。

「論語」の「第十郷党篇」には、「薑(はじかみ)を撤てずして食う」とあり、孔子が添え物のしょうがを残さずに食べるといったことが書かれています。
孔子はそれだけではなく、しょうがを毎日食べることも奨励したようです。

さて、このしょうが、いつ頃日本に入ってきたのか分かりませんが、古くはしょうがと山椒がいずれも「はじかみ」と呼ばれていて、判然としません。
しょうがを「くれのはじかみ」など呼び分けたりもしたそうですが、しばらく混沌とした状態が続きます。

そのうちにしょうがは「薑」、山椒は「椒」の字がつけられるようになりました。薑ははじかみの他にキョウとも読みます。

この薑と椒の区別は、魏志倭人伝(「三国志」東夷伝)にこのような記載があります。
「薑・橘・椒・茗荷あるも、以て滋味と為すを知らず」
要は、「日本にはしょうがも、たちばなも、さんしょうも、みょうがもあるのに、その使い方を知らない」と書かれたのでした。

後に生のしょうがを「生薑」(ショウキョウ)と呼ぶようになり、これが同じ読みの姜に代わって、最終的に「生姜」となったのではないかと思われます。
生姜となったのは、江戸時代の頃です。

このように、古くからどこにでもあったためにルーツが謎に包まれているしょうが。
スーパーに行けば、いつでも新鮮なまま手に入るスパイスとして貴重な存在ですね!

日本で手に入るしょうがと、インドからヨーロッパ地方に広まるそれは全く同じものです。他のスパイスでは、日本のものは少し違うというケースが少なくないですが、しょうがは同じものです。

しょうがはショウガ属ショウガ科に分類されます。
同じショウガ科のスパイスには、みょうが、ウコン(ターメリック)、カルダモンなどがあります。

そしてしょうがには、大きくわけて3つのタイプがあります。

葉しょうが
葉しょうが

大しょうが:大きく育ったしょうがのことです。根茎が大きく育って、貯蔵に向いています。国内の生産量の9割以上を占めていて、スーパーなどで手に入るしょうがは、ほぼこのタイプです。
中しょうが:中生のしょうがで、大きさも小さめ、辛みが強いしょうがです。時間が経つと筋が多くなるため、早めに加工・消費する必要があります。
小しょうが:早生のしょうがで、谷中生姜などに代表されます。辛みが強いタイプで、早堀りして、繊維が柔らかいうちに食します。葉生姜とか新生姜とも言われます。

日本では新鮮なしょうがが手に入りますが、ヨーロッパなどではパウダーで使うのが一般的です。
日本に来た観光客には、ぜひ新生姜のあの爽やかさを知ってほしいですね!

 

2.しょうがの香りや味

しょうがには独特の辛みと香りがあり、3つの辛み成分が含まれています。

しょうがパウダー

3つの元はジンゲロールという成分で、生のしょうがに含まれています。
これに熱を加えるとジンゲロンとなって甘い香りを放ち、乾燥するとさらに辛みが増してショウガオールとなります。

これらは発汗したり、体を温めたりする効果があると言われていて、古くから生薬として使われてきたのも頷けます。

香り成分としては、シネオール、ジンギベレンなどがあり、爽やかな香りが、肉や魚の臭みをとり、食欲を増進させます。

 

3.しょうがの育て方

今回はプランター栽培のケースを紹介します。
プランター栽培をすると、面倒なマルチング(黒いビニールシートの覆い)が不要です。

しょうがは種しょうがを使って増やします。
大生姜や小生姜でもいろいろ種類がありますので、自分に合ったものを選んで下さい。

新しょうが
新しょうが

しょうがは土を選びます。水はけの良さは絶対です。
植え付けの前に苦土石灰を混ぜて、弱酸性の土を作っておいて下さい。

さらに植え付けの1週間前に元肥をします。
堆肥と有機肥料をたっぷり使いましょう。

ホームセンターなどで種しょうがを購入します。
植え付け前に暖かいところで発芽させておきましょう。

芽がでたら、20cm間隔で、大生姜は深さ10cm、小生姜であれば5cmくらいのところに芽を上にして置き、土をかぶせます。
水をたっぷりかけてあげます。

本葉が3枚になったら追肥をして、さらに土寄せをしてしょうがの根元が日焼けしないようにします。
敷きワラをするのもいい方法です。

4月~5月頃に植え付けた場合、7月頃から収穫できます。
まだ育っているところですから、1本ずつもぎ取って下さい。

9月頃になって全体が黄色くなってきたら、種しょうがごと掘り起こしましょう。

 

4.スパイスとしてのしょうがの作り方

しょうがはご存じのとおり、根茎をそのまま刻んだり、すりおろしたりして使いますので、スパイスにするための作り方というのはありません。

その代わり、紅ショウガとガリの作り方を紹介したいと思います。
まずは紅ショウガから。

紅しょうが

材料:

しょうが 200g
塩 小さじ1
梅酢 適量

(1)今回は普通のしょうがを使いますので、皮をむいて水で汚れを洗います

(2)しょうがを千切りにします

(3)ボウルにしょうがを入れ、塩を加えて良く混ぜ、1時間ほど置きます

(4)しょうがから出た水分を手で絞って、キッチンペーパーなどの上に並べて1日陰干しします。

(5)しょうがが乾いたら、保存容器に入れ、梅酢を加えます

(6)冷蔵庫で1日寝かせたら完成!

 

自分で作った紅ショウガは美味しいですよ!
次はガリの作り方です。

ガリ

材料:

新生姜 200g
酢 1カップ
砂糖 大さじ6
塩 小さじ1

(1)新生姜の皮をスプーンでこそげ取り、薄くスライスする。この時ピンクの部分を使えば、ピンク色のガリに、使わなければ無色のガリになります

(2)しょうがに塩をまぶして5分置きます

(3)熱湯をしょうがに注ぐようにして、軽く茹でます

(4)しょうがを冷水にとり、良く絞ります

(5)酢と砂糖を混ぜてそこにしょうがを加えます

(6)そのまま冷蔵庫で半日置きます

(7)味が十分なじんだら完成!

 

5.しょうがを使った料理レシピ

しょうがは洋の東西を問わず、スパイスとして幅広く料理に使われています。
今日はそのしょうがのレシピの中から、いわゆる定番ものとマイナーものを織り交ぜてご紹介したいと思います。

5-1.ジンジャーエール

5-2.豚肉のしょうが焼き

5-3.しょうが味アイスクリーム

 

5-1.ジンジャーエール

爽やかな炭酸としょうがのフレーバーを楽しめる定番ソフトドリンク。カクテルにも使われていますね!
そんなジンジャーエールの作り方をご紹介します!

ジンジャーエール

材料:3~4杯分

しょうが 200g(お好みで分量は調整して下さい)
砂糖 100g
水 200ml
シナモンスティック 1本
クローブ(ホール) 3個
レモン 1個
はちみつ 小さじ1(お好みで。入れなくてもかまいません)
炭酸水 適量

(1)しょうがを洗って汚れを落とし、皮をむかずに薄くスライスします。レモンも皮ごと薄くスライスしておきます

(2)ボウルにしょうが、砂糖、スパイス類(シナモンスティック、クローブ)を入れ、よく混ぜ合わせ、1時間ほど室温で置きます

(3)ボウルに水分が出たところで、ボウルの中身を全て鍋に移して水を加え、灰汁を取りながら約15分煮込みます

(4)はちみつとレモンを加えて、ひと煮立ちさせ、火を止めて鍋のまま冷まします

(5)冷めたら、茶こしなどで鍋の中身をこしてシロップの完成!

(6)飲む際には、グラスに氷とシロップを入れて、好きな量の炭酸水で割って飲んで下さい。シロップは少な目でも、十分にしょうがの香りと刺激を楽しむことができますよ!

★レシピの裏ワザ★このジンジャーエールのレシピでは、しょうがを皮ごと使っています。実はしょうがの風味は、皮のすぐ下の部分に一番多く含まれているからなのです。洗いにくかったり、洗っても汚れが落ちない場合は、こぶ毎に折ってタワシなどで洗うとしっかり汚れが落ちますよ!

 

5-2.豚肉のしょうが焼き

豚肉のしょうが焼きといえば、男の子に大人気の定食メニューですね。
ご家庭でもよく作られているこのメニュー。みなさんはどのように作られているのでしょうか?

材料:4人分

豚肉(こま切れなど) 400g
玉ねぎ 1個
しょうが汁 小さじ2
しょうゆ 小さじ1
料理酒 大さじ1
小麦粉 適量
サラダ油 適量
<たれ>
砂糖 大さじ1
みりん 大さじ1
酒 大さじ2
しょうゆ 大さじ3
すりおろししょうが 小さじ2

(1)しょうがをすりおろし、玉ねぎは5mmくらいにスライスする

(2)ボウルに豚肉を入れ、しょうが汁、しょうゆ、料理酒を加えてもみこむ

(3)小さな鍋でたれを混ぜ合わせる

(4)ボウルに小麦粉を振り、まぜ合わせる

(5)フライパンにサラダ油を熱し、豚肉を手早く焼く

(6)玉ねぎを加え、玉ねぎが透き通ってきたら、たれを加えて煮込む

(7)たれにとろみがでてきたら完成!

 

5-3.しょうが味アイスクリーム

しょうが味のするアイスは、なかなか出会うことがありませんね。
今回は少しでも簡単に作って頂くために、しょうがはパウダーを使ってみました。

材料:4人分

しょうがパウダー 20g
グラニュー糖 80g
卵黄 2個分
牛乳 200ml
生クリーム 200ml
フレッシュミント 適量

(1)鍋に卵黄とグラニュー糖を入れ、良く混ぜます

(2)さらに牛乳を加えて混ぜ合わせます

(3)鍋を弱火にかけて、玉子が固まらないように注意しながらとろみがでるまで混ぜます

(4)鍋を火から下ろし、氷水で冷やします

(5)ボウルに生クリームとしょうがパウダーを加え、氷水で冷やしながらよく泡立てます

(6)5を少しずつ4に加えて混ぜ合わせ、良く混ざったらそのまま置いて冷まします

(7)全体の熱が取れたら、バットなどに注ぎ入れて冷凍庫に入れます

(8)凍ったところで、ミキサーなどで撹拌し、冷凍庫に戻します

(9)再び凍ったところで、ミキサーで撹拌し、冷凍庫へ戻します

(10)もう一度凍ったら完成です!ミントなど添えて楽しみましょう


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